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人をひきつける仕掛けが盛りだくさん! 何気にスゴい杉村太蔵氏の講演会

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彼の仕掛けは、登場する前から仕組んでいた・・・!?

 

他の講演会と比べられるほど私は多くの講演会に参加ているわけではないが、少なくとも今回の杉村さんの講演には感心した。
 

まず、会場の雰囲気作りが上手いなと感じたのだが、その仕掛けは本人の入場前から仕組まれていたのだろう(と思われる)。
彼の仕掛けた演出は、司会者が発した注意事項から始まっていた。

「皆様、本日の講演での内容等については無断で使用しないで下さい。また、写真やSNSなどにアップすることを固く禁じます。
もし以上の注意事項を守られない場合はしかるべき方法を持って責任を負うことになりますので、ご注意下さい」
みたいな内容が司会者により告げられ、会場に少し緊張が走った。

会場全体が緊張に包まれた理由は、ちょうどこの頃にアルバイト店員によるツイッターなどの炎上騒ぎがあったためだ。
コンビニのアルバイト店員がアップした不適切動画によって、企業に訴えられる若者のニュースが連日のように流され、SNSの動画アップには、世間が敏感になっていたタイミングでの、このアナウンス。


客席全体がシーンとなっていました。
そして、その状態を見計らったかのように杉村さんご本人が登場。
会場の雰囲気に反し、ニコニコしながら一言「ど~も」とご挨拶をした後に発した言葉が、
「いや~、皆さま! 先ほど勝手に写真を取ってはいけないと言ってましたが・・・

・・・・。」


「いいんです! 私みたいなものでよかったら、ど~ぞ撮ってください」
さらに続けて
「勝手にSNSやネットにあげることも・・・
ど~ぞ、ど~ぞ。こんな私でよければ。なんにでも使ってください!」
と重い空気から一転、会場をホッとさせたうえに笑いも取って、会場全員の心をみごとにキャッチ!

恐らく”緊張→緩和”の落差を作るために、司会者にわざと厳しい注意事項を言わせたのではないかと感じました。

演台が舞台中央部分に設置してありましたが、そこからマイクだけ取って前にいき、客席に近いところでトークを続けます。
「実は私は政治家時代に、石川県に来たことが・・・・ないんですよ~」→会場ドッカーンとウケる。
「でもね、先ほど来る途中の新幹線の中で、中能登町のふるさと納税をポチッとしてきましたよ!応援してますよ~、中能登町を!」→ドッカーン。
最初の仕掛けの影響で緩和状態が継続され、何を言ってもウケていました。

続けて、
「石川県出身の神和住さんって知っていますか? 日本テニス協会会長の。私ね、神和住さんにも親交があり、能登って私の第2のふるさとみたいなものなんですよ!」
→会場また。ウケる。(それは無理があるやろ!って感じで)

 

ここまでで登場から7分ほど。
会場を温め、中能登町民との距離を充分に縮めたところで、本題の講演をするために中央の演台へもどる。
会場作りはバッチリといったことろでしょう。


ここまで彼の思惑通りの流れだろう。
先ほども言ったが、あまり講演を聞くことがない私だからだろうか? うまいこと進めるなーこの人、と思ったのは。
先ほどのトークは前座だよ、と言わんばかりに演台に立ったらキリッ!と真剣な顔になり、メリハリを付ける。
ここまでの雰囲気作りは偶然ではなく、人の心理などを良く分かったうえで仕掛けたものだと私は思う。
もし無意識でしているのなら、彼は相当なセンスを持っているのだろう。そう思えるほど自然な流れであった。


いよいよ本題の講演が始まるが、ここでは講演の内容説明が主ではなく杉村太蔵さんって人よかったよ!ということを中心に書いていきたいので、講演内容はサラッと触れる程度にしますが、一応まとめると
・物事を見るには客観的な目が重要
・感情や思い込みなどの主観では、正しい判断はできないことを知ろう
・その点で太蔵さんが超オススメする本”ハンス・ロスニングが書いたファクトフルネス(10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣)”を紹介
・発想力を柔軟に持ち、身近なものに置き換えて物事を捉えよう

こんなところですが、太蔵さんの講演内容を私なりに一言でまとめると、
”物事を正確に捉えるには、感情を排除した真実を基に自分の頭で考えること”だと思います。
人間の感情が入ることで事実が曲がって見える例として挙げられるのが、最近の犯罪件数の推移。
近頃は物騒な事件や事故が増えているように感じてしまうが、実際には犯罪件数は年々下がり続けている。
何となく人が感じていることと、統計に表れる数字とは必ずしも同じではない。

お金に関することは、特に自分の頭で考えることが大切。
予算1兆円とか聞かされても、桁が多すぎてピンとこないので自分が1兆円を使ってみるとどうなるかを考えてみるといいだろう。
高級なお酒をたらふく飲んで毎日100万円を使ったとする。1年間毎日これを繰り返すと3億6500万円使ったことになる。
100年使い続けても365億円しか使えない。
”1兆円とは、100万円の豪遊生活を3000年続けなければ使い切れないほどの大金”というように、身近なことに置き換える。
数字が大きくて分からないなどといってスルーしていては、いつまでたっても”分からない”まま。
太蔵さんの講演内容は簡単に言うとこんな感じです。

 

 

 

 

講演内容の信頼性をあげるために工夫している事

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月並みで申し訳ないが、”信憑性を上げるために、細かい数字や日付を出す”ことは大切だ。
今回の講演では、「あれは忘れもしない、平成〇年〇月〇日に私が〇歳の時にはじめて○○した・・・・」と言っていましたが、
これ、細かい日なんか要ります? なくても全く問題がないことだが、細かい日付を入れることで、話の信憑性を増しているのでしょう。
そしてもう一つ。
話の中に、太蔵さんが実際に接していた大物を出すことで自身の信頼は上がっています。
大物は人気者であり、安っぽく表に出ない人であることがポイントで、今回話に出てきたのは小泉元首相。
小泉元首相と一緒に仕事をしていたことで、話全体の格が一気に上がります。

人をひきつける講演にするには、聞き手に参加してもらうことも有効な手法のひとつ。
太蔵さんはいくつかのクイズを出して全員に参加してもらい、時には何人か舞台に上がってもらったりと、眠たくなる要素はありません。

参加者層を見て内容を変えたのか、初めからしゃべるつもりだったのか分からないが、今回の聞き手が最も興味がありそうなことにも触れて満足感を与えることに余念がない。
会場は比較的年齢が高めな方が多かったので、「高齢者を狙う詐欺」についてのお話が皆の興味をひく。
中には当然若い人もいたので、そんな人にもためになる本などもいくつか紹介してお土産としてお話をしてくれた。


その昔、なんやかんやで叩かれたり騒がせたりした杉村太蔵氏であったが、経歴や今の活躍を見るとタダものでないことが分かっていたが、
講演を慣れているのも分かるし、頭もいいよねってとこでしょうか。

ちなみに私が最も共感したことは「アウトプットが大切なのだが、ほとんどの人がこれを重視していない」の部分。
講演する太蔵さんを見て「発信することって大事だよね~」とちょうど私が思っていた矢先に本人から出た言葉だったので、彼が伝えたい事が少しは自分なりにキャッチできているのかなと思えただけでも満足な講演でした。

 

今回は第14回目の生涯学習のつどいの講演でしたが、さて次回の講演は誰か?
楽しみですね~。期待しています!